好きだったアイドルがアイドルを辞める

24日のショックからもう３日が経とうとしている。

大学の図書館で卒論を書いていて、気分を変えようと思ってはてなブログを覗いた。

そこにはたくさんの田口くんへのメッセージがあった。

いろんなファンの人がつづった、脱退に対する意見や田口くんとの思い出。

読んでいると図書館にいるのに涙が出てきた。

田口くんは私の初めての担当だった。いかついお兄さんたちの中で1人、いつもニコニコ笑っている彼に惹かれたのを覚えている。

中学2年生の頃まで流行っていた「仁亀どっちが好き？」というお決まりの問いかけに、私は「田口くん」と答え、友人たちから変わり者扱いを受けていた。「いいもん。田口くんの魅力は私がわかってればいい。」が当時の私の口グセだった。

その後何度か担降りはしたけれど、田口くんはずっと特別な存在だ。

自分のジャニヲタとしての原点だし、担降りしても彼の笑顔やダンスが大好きだった。

だから辞めるって聞いたときは本当にショックだった。頭が真っ白になった。

バイト中に休憩明けの後輩に教えてもらった直後は「マジか」「なんで」とぼやくことしかできなかった。もちろん、その後のバイトには身が入らず、気が気ではなかった。

家に帰って、バイト終わりに見ようと思って録画していたベスアも見る気が起きなかった。現実を受け入れるのがすごく怖かった。

信じたくない。現実逃避で、番組を一度も再生することなく削除した。

大好きなジャニーズのアイドルがたくさん出てたのに。先日松山でのタキツバコンで拝見した麗しのタッキーを今度はテレビで拝めるんだと、喜々として録画予約をしたのに。頑張って容量を開けたHDDの残量は全く価値のないものになってしまった。 

せめて辞めてしまう理由を教えて欲しい。明確な理由を。知ったところで何も変わらないことは分かっていたけど、自分が納得できる理由がほしかった。今思えば、悲しみや怒りをぶつける矛先を探していたとも言える。

でも、ジャニネやジャニwebを見ても、twitterを見ても「なんで」の答えは載っていない。本当のことは本人からも明かされない。

たとえどんなに行かないでって言っても、

どんなに辞める理由を説明してほしいと願っても、

返ってくるのは、すみませんでした申し訳ありません。という謝罪の言葉だけ。

大好きなアイドルが目の前からいなくなっていく時、

ファンは情報の受信者であり、常に受け身の立場で存在している現実を突きつけられる。

もどかしい気持ちでいっぱいだった。ただ辞めるという結果を受け入れるしかないことに悔しさすらこみ上げてきた。

しかし、３日経ってようやく冷静に考えられるようになったと思う。 

何かを選択するということは、それ以外の全てを選ばないということだ。

田口くんは脱退という新しい道を選択し、これまでのKAT-TUNとして築き上げてきたメンバーとの絆、ファンからの応援、支えてきてくれたスタッフさん、全てを選ばないという選択をした。

何人ものファンの方が言っているように、きっと相当前からこのことについて悩んで苦しんでいたんだろう。今までの人生のおよそ半分を費やしてきたことを切り捨て、新しい道を選択することは決して簡単ではない。ましてや、自分以外のグループのメンバーの今後だって揺るがしてしまうような問題だ。

今は、田口くんが将来この選択を後悔しないように願い、今までの感謝を伝えることがちっぽけな私にできる精一杯なのだろうと思う。