東方神起に学ぶ「応援の姿勢」
私はかれこれ6年ほど東方神起を応援しています。
私は彼らから多くのことを学びました。アーティストとしてというより、人として学ぶことが多いな、と感じています。
東方神起はもともと5人で活動しており、日本デビュー5年目、全盛期とも言える時期に活動を休止し、そのまま2人(東方神起)と3人(JYJ)に分かれて活動することを強いられました。
その理由はいくつかあると言われていますが、簡単にまとめると、事務所との契約内容に不満をもった3人(JYJ:ジェジュン、ユチョン、ジュンス)が脱退し、他の事務所で芸能活動を始めた、というものです。
長い下積み時代を共に過ごしたメンバーと急に離れ離れになり、一部の報道ではメンバー間で個人的に連絡を取り合うことも禁じられていたと聞きました。
休止当時の不安や悲しみは計り知れないものだったと思います。また、ファンも同じように5人の活動が休止になることや、当時の現状について悲観的になる人が多くいました。
(現在、2人になった東方神起は再始動を果たし、日韓を中心に活動を行っています。JYJの3人も事務所の関係で日本での活動はほとんどありませんが、韓国やアジアで活動の幅を広げています。また、韓国には徴兵制度が存在し、5人とも兵役を行う年齢にあることから兵役に出ているメンバーや年内に入隊を控えているメンバーもいるので、今後数年はグループでの活動予定はなさそうです。)
前置きが長くなりましたが、活動休止、メンバーの脱退という悲しい経験をした彼らは、葛藤を抱えながらもファンに様々なメッセージを伝えてくれました。
今回は私がメンバーの中で一番好きなチャンミンの言葉を借りて、私がそこから学んだ、アイドル、芸能人を応援することへの「姿勢」を書きたいな、と思います。
以下はチャンミンが活動休止になった後にファンへ発信したメッセージです。
ファンの方には僕を絶対的な存在にしては欲しくない。全生活を僕に費やすようなことをしてほしくないんです。極端なことを言えば、僕を応援しなくてもいいから、自分の生活を大事にしてほしい。
その中でたまに目にする僕の活動を栄養剤のように感じてもらえたら、それが一番嬉しいです。
応援してくださる方それぞれが大切なプライベートな時間を楽しみながら、ちょうどいいところでお互い頼りになる。そんな存在になれるように努力していきたいです。
(non-no 2010年11月号)
私はこれまで「応援する」ということは、常に当人に寄り添った形でないと有り得ないと思っていました。どんな活動も把握していたいし、メディアに出た時は一瞬たりとも見逃してはいけない。また、韓国は日本よりも芸能人のプライベート情報が流出しやすい環境であることから、プライベートな情報も逃さないようにしようと必死でした。
そのような東方神起中心の生活を送っていたので、彼らが活動休止になったと知ったとき、衝撃で頭が真っ白になってしまいました。東方神起のことを考えるということは、自分の進学のことよりも重大で、深刻で悲しいことでした。
しかし、どこかで情報収集に必死にならずに済むんだ、と不謹慎にも安心に似た感情が起こりました。東方神起中心の生活にストレスを感じていた自分がいたのです。
自分の応援しているグループが危機的状況なのに、どこかほっとしている自分に嫌悪感を感じずにはいられませんでした。
そんな中、このチャンミンの言葉を見て胸に引っかかったものがスッと降りていく感覚がしました。
自分が無理をしていると感じている時点でそれはもう「応援」ではなくなるということ。
いわゆる「お茶の間」のファンであろうと、コンサート等に足繁く通うファンであろうと、彼らにとっては大事なファンであることには変わらないし、最もファンが無理をして自分たちを応援することを快く思っていません。
ファンが一番幸せな状態で自分たち(東方神起)と関わって欲しい。これがチャンミンの願いでした。
これを機に、私の「応援する」という概念がガラッと変わりました。
現在、私は東方神起のファンクラブに入会し、コンサートには行くものの、雑誌はおろか、CDすら購入していません。
しかし、これが私と東方神起の程よい距離なんだろうな、と思います。
チャンミンは普段は毒舌キャラとしてファンに毒づくことが多く、CDやDVDを買っていないファンがいるとよくチクチクと小言を言います。そんな時「だって、アンタが自分のペースで応援してくれって言ったんじゃないか(笑)」と反論したくなりますが、そこも彼の愛されるキャラなので、仕方ないです。しかも、熱心にCDやDVDを買ってくれるファンが多いことに越したことはないのはわかっています(笑)
チャンミンの言う、「大切なプライベートな時間を楽しみながら、ちょうどいいところでお互い頼りになる」存在。
このことを基準にアイドルや芸能人を応援するようになりました。
これはジャニーズの「担当」制度にも一部通じることだと思いますが、
ファンクラブに入ること、コンサートに行くことがファンの定義でもなければ、
お金をかけずに応援していることがファンでない証拠でもありません。
自分が一番心地よい距離感で応援していきたいと思えることがファンの定義なんじゃないかな、と思います。
心地よいと感じる内容は人それぞれ違います。
コンサートに行けなくても、テレビで応援できる環境にあることかもしれません。
挫折する姿を含め、辛いことも一緒に経験できる関係性になることかもしれません。
日常生活でアイドルや芸能人のことを想う時間、使用するお金、支持する熱量は違えど、自分が納得して応援できる気持ちでいることが、ファンとしての姿勢だと思います。
まとまりが悪くなりましたが、これが東方神起が教わり、私なりに解釈した「応援の姿勢」です。